100万トークン出力と低価格で実現する長期推論の新基準
Googleは2026年10月1日に、新たなフロンティアモデルGemini 4 Argonを発表した。複雑かつ長期的なワークフロー全体にわたって深い推論を持続できるよう構築されており、出力トークン上限を従来の6万4千から業界をリードする100万トークンへと大幅に拡大した。価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルで、キャッシュ済み入力は95パーセントオフの0.10ドルという設定だ。高い性能を維持しながらコストを抑えたこの価格設計は、大規模な業務ワークフローへの導入を見据えたものと言える。
Google社内での実用成果とコードベース移行の事例
ArgonはすでにGoogle社内で数千人の社員に活用されており、専門的なコーディング作業や調査、文章作成で高く評されている。量子アルゴリズムの最適化では、公表されている基準値を40パーセント上回る成果を数分で達成した。また、データセンター全体のプロファイリングテレメトリを分析し、300TiB以上のメモリーを解放する最適化を自律的に特定・適用した。さらにC/C++のコードベースをRustへ移行する作業では、re2やlibgav1などのコアライブラリーの数万行規模からFuchsia Zircon kernelの80万行を超える規模まで拡大しており、動画デコーダーのRust移植では2.7倍高速化を実現した。
サイバーセキュリティー特化と4本柱のセーフガード強化
Argonはサイバーセキュリティーにおいても極めて高い能力を発揮する。重要なソフトウェアの脆弱性を自律的に発見・検証・パッチ適用でき、WizのScan for Goodでは世界中の病院で使われる医療用ソフトウェア全体において、従来のフロンティアモデルでは見落とされていた重大な脆弱性を特定した。CWE-bench v1では68パーセントで首位タイを獲得している。ただし、広く展開する前に4つのセーフガードを強化しており、悪用防御、プロンプトインジェクション防御、アライメントモニタリング、システムハードニングを柱とする。Fairwind Programを通じてサイバーセキュリティー担当者から順次アクセスを拡大し、有料API顧客やGoogle AI Ultraユーザーへの提供も予定されている。性能と安全性の両立を重視した段階的な展開が、フロンティア知能の社会実装における新たなアプローチだ。